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■第12回贈呈式
 20091115日、大阪府立国際児童文学館で12回国際グリム賞贈呈式および記念講演会が行われました。同賞は、当財団法人大阪国際児童文学館と財団法人金蘭会および大阪府立大手前高等学校同窓会金蘭会との共催で、国際的分野で児童文学界に貢献した研究者に贈られる賞です。国際グリム賞の選考は、2段階で行なわれており、第一次選考として、国内外の児童文学研究者に対するアンケートによって候補者を選び、その後、10名からなる選考委員によって、最終的に受賞者が決定されます。

       

■贈呈式のようす
  贈呈式では、(財)大阪国際児童文学館館長である向川幹雄氏からの挨拶に続き、金蘭会会長・(財)蘭会理事長、安橋興二郎氏より、正賞の楯および副賞として賞金百万円が、神宮教授に授与されました。続いて、大阪府教育委員会を代表し、太田浩二地域教育振興課長からお祝いの言葉が述べられ、最後に、神宮教授による受賞の言葉をもって、贈呈式は終了しました。

■記念講演
     贈呈式に続いて行われた、記念講演は「楽園の回復をめざして−日本児童文学を中心に−」と題して、「童話」という言葉をキーワードにさまざまな児童文学作品について言及されました。児童文学で「楽園」を多く語っているのは “fairytale”であると思われますが、創作的なfairy tale であるliterary fairytaleは、日本語では「童話」と訳されています。戦後の日本児童文学は、日本を代表する童話の書き手である小川未明を批判することから始まったと言われていますが、本講演では、小川未明の作品を中心に童話を再評価し、日本児童文学史を組みたて直す必要性を示唆するものでした。166名が参加し、講演の後には活発な質疑応答の時間がもたれました。

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Last Modified: ページ作成 H5卒 くらもと,文責 S52卒 小南