WEB金蘭会

    小林 哲也氏






インタービュアー
 
 
 
 
後輩へのメッセージ

若い世代へのメッセージとして、学生さんと社会人に分けてお願いします。

学生さんとか若い人達は、あまり自分の考え方とか性格とか、向き、不向きとかを自分で決め込まない方がいいと思います。「僕は性格的に、これには向かない」という人がいるんですよ、「僕はこれダメです」とかね。ところが、性格といってますけど、性格とは言い換えたら、ライフスタイルだと思います。生き方のスタイル、ライフスタイルは「スタイル」ですから変えたら良いんです。ところが、「性格は変えられない」と言うんです。性格という言葉は、自分を規制してしまいます。だから「性格は変えられない」というのじゃなくて、「ライフスタイルは変えられる」と思ったらいいんです。
中学、高校ぐらいでしたら6年間でしょう。6年間で、自分の向きや不向き、嫌いや好きを決め込んでしまってるんですよね。それは非常に危険だし、もったいない。まだまだこれから、長い人生の中で、いろんな機会をもらえるわけなんで、そういうことは、あまり早い時期に決め込まないで、もっとオープンに、何にでも、フランクに飛び込んでいって、好きなことをやったら良いと思います。高校ぐらいの時は、何もまだほとんど経験してないわけですから。学校で、いろいろな授業を受けて試験して、暗記力が良かったとか悪いとか、そういう差は多少出ると思いますが、それ以外は特に何もないわけです。大手前の若い人達は、自由闊達に、自分にはどういう将来性があるのか、「なんでもかんでも飛び込んでいってやろう」というふうにやって欲しいと思います。
社会に出ている人達については、「人事を尽くして天命を待つ」という姿勢が大事だと思います。仕事をやっていて、「ひどい事になってきた」とか、「大変だ。コレできるかなあ」という事は、何回かあります。 その時に、私がいつも思うのは、できるかできないかを悩むのではなく「やるべきだと思えば全力をあげてやる」、「人事を尽くす」ことに邁進する。そうすれば、結果は天命が示してくれるということです。私は、野球の撤退のとき、いつもそう思っていました。物事の流れが好ましいほうに行きかけたと思ったら、反対側に流れ出して、「ダメかな」と思ったらまた良い方に戻ったり。そんななかで「結果はもうどうでもいい」と思いました。「一生懸命やるだけで、やった結果は、それは天命として受けたら良い」というふうに思わないと、精神的に参ってしまいます。若い人達でも、「人事を尽くして天命を待つ」というつもりで、気持ちをおおらかに、結果にうじうじとしないで、自分の事業に関わっていってもらったら、かえって物事がうまくいくと思います。
それともうひとつ、新渡戸稲造先生の「武士道」を是非若い人たちに読んで欲しいと思います。この本には、人として、サラリーマンとして生きて行く上でも非常に大事な事が書かれています。「武士道」では「義」、「勇」、「仁」の3つの守るべき道が示されています。「義」は「正しきことをなせ」、「勇」は「何においても勇気を持て」、そして「仁」では、「事をなすに当たっては、人への思いやり、配慮を大切せよ」ということをそれぞれ意味しています。普段から、この3つの道を守っていれば人として大きく道をそれることは無いでしょう。特に、正しくないと分かっていながら誤った道を選んでしまいそうなとき、気持ちがくじけそうになったり、人に対して傲慢になりそうなとき、そういう時に思い出して欲しいと思います。

新入社員にいいお言葉ですよネ。

 

伊勢志摩でのサミット開催を控えて大変お忙しい中、上本町にある近鉄グループホールディングス株式会社に訪問してインタビューさせていただきました。終始気さくにお話いただき和やかなインタビューとなりました。

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ページ作成 S53年卒岸政輝&H5年卒倉本到