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金蘭会セミナー


第115回
平成20年2月15日(金)
演題
「ピンピンコロリの生き方」
講師
若林利光氏(昭和46年卒)
若林医院院長。医学博士。日本ペンクラブ会員。

若林利光氏 プロフィール

若林医院院長。医学博士。国際外科学会会員。 神戸大学医学部卒業後、脳神経外科学専攻。
1991年、脳梗塞予防の研究で第44回兵庫県医師会医学研究賞。 1998年、病跡学の見地から
歴史上の著名な人物をとらえなおした評伝で第18回日本文芸大賞(医療文化賞)。 脳卒中、なかでも、
くも膜下出血に関する国際的な英語論文多数あり。アメリカの医学テキストにも引用されている。
著書に『いろはでボケ封じ』、『本当は怖い頭痛の話』、『偉人たちのお脈拝見』、『サバイバル三国志』
など多数。
兵庫県脳神経外科・神経内科診療所医会副会長。日本ペンクラブ会員。日本文芸振興会顧問。
http://wakabayashiiin.com











第115回金蘭会セミナー 感想

S32卒の方々(福岡繁・中道昇・竹島多美枝・
           大西隆夫・吉本真智子)より



1.お話の内容に感銘を受けました。心して努力しようと思います。
2.表題の通り、どうしたらコロリとなるか考えます。
3.心筋梗塞の原因をもっと教えてもらいたいと思います。



昭和19年卒  神田美重子



 80才の大台を超えた私たちには、とても他事と思えないお話でした。
 この2、3年の間に、同級生で認知症のきざしの出た方々のことを聞く
につれ、どうか自分はそのようなことで家族やいろんな人の世話には
なりたくないとテレビの番組や人の話で、こんなことをすると良いとか、
こんな食べ物が身体に良いと聞くたびに無理をして試しておりました。
 
  でも、それがかえって良くないこともあり、それよりも規則正しい生活
と年令、身体の調子に合った食生活を心がけ前向きの人生を送ること
が大切だとユーモアを交えてのお話に1時間は短く感じました。
 
  私はいまも現役で仕事をしており、毎日1万歩弱は歩き、帳票を書くので、
これも元気で毎日が過ごせることと考えます。

  先人のお話もいろいろおもしろく興味が持てるように教えていただきました。
もっとお話をお聞きしたいと思いますので、何とかまたの機会を作っていた
だきますようお願い致します。











第115回金蘭会セミナー講演要旨

 平均寿命は年々伸びて、2006年には男性79.00歳、女性85.81歳にまで
なりました。しかし、自立して健康に生活できる「健康寿命」は、それよりも
数年は短いと言われています。この数年を短くすること、つまり、生きてい
る間は最後までピンピンと健康に暮らし、死ぬ時はできるだけ苦しまずに
コロリと死ぬ、つまり「ピンピンコロリ」という生き方が、ほとんどすべての人
の願いではないでしょうか。
 その願いを叶えてくれる病気としては、寝ている間におこる心筋梗塞など
があります。寝ている間に無痛で即死できるのだが、それにたどり着くまで
に、いわゆる「寝たきり状態」にならないように注意する必要があります。
また、最近では、「寝たきり状態」よりもなお深刻で注意が必要な病態が注
目されるようになってきました。それは認知症です。
 そこで、高齢になっても認知症になることなく元気に生きて、比較的苦しま
ずに人生を終えることができた「生き達者」とでも言うべき人々の生涯を参考
にしながら、ピンピンコロリの秘訣を探ってみましょう。

  西行の歌に、

   「 願はくは花の下にて春死なん
             そのきさらぎの望月のころ 」

   というのがありますが、

    「 願わくは心筋梗塞で夜死なん
             睡眠中の意識なき間に
 」

   という歌を、ピンピンコロリを目指す人々に贈りたい。

  ピンピンコロリの達人たちから、得られる教訓について

..

達  人

人 物 紹 介

得 ら れ る 教 訓

西 行

理想の大往生としてもてはやされた生き方

目標を持ち、達成するまで生きようとする事

永井荷風

近年問題となっている独居高齢者のはしり。孤独な晩年をどう乗り切ったか

家にじっとしていないで、適度に体を動かす。

杉田玄白

長生きに飽きて、死にあこがれを抱くまでになった晩年の心境やいかに

歯の手入れを大切に。転倒しないためにも、下半身強化

貝原益軒

妻に先立たれた不幸は、精神と肉体に二度襲う

こまめな水分補給が大切。

北条早雲

早寝早起きで規則正しい生活を送り、若さを維持

規則正しい生活。80歳でも20本の歯のある人生を。

毛利元就

70歳にして子ができたスーパー老人の生き方

75歳過ぎての性欲は病気の可能性もあり。

徳川家康

養生で天下をつかんだ苦労人も、ふとした油断が命とり

ビタミンB1の含まれた食品を摂取

北条政子

鉄の意志を持った烈女もストレスには勝てなかったか

ストレスを少なくして、潰瘍を防ぐ

一 休

「とんちの一休さん」の素顔は

人ごみに出ない。特に寒い時

栄 西

お茶の祖は茶養生で長生き

薄いお茶で水分補給。風呂上がりの一杯の水が大切

北の政所

子飼いの武将の早死にのために訪れた豊臣家の悲劇的没落に耐え抜いた生涯

愛する年少者の死を乗り越える強い意志

勝 海舟

「これでおしまい」と達観して終えることができた生涯

死の直前まで精力的に活躍

上杉鷹山

食事のリストラで寿命を貯金するも、最愛の人に先立たれた不幸には勝てず

配偶者に先立たれると、食事量や水分補給が減るので注意。

滝沢馬琴

長男に先立たれ、隠居もできずに一家を支え続けた馬琴を襲う謎の胸痛

豚肉、大豆、緑黄色野菜などでビタミンB1を十分取る

葛飾北斎

最後まで生に執着し続けた「世界の北斎」

目標を立て、努力することが老化防止

北里柴三郎

死に際も誰の世話にもならぬ、が口癖だった強気の世界的細菌学者

脳梗塞が疑われる場合、我慢せず3時間以内に病院へ

 

 

それ以外にも、気をつけたらよいこと
規則正しい生活は大切。寒い朝の早起きは、血圧上昇の危険があるので要注意。
甲状腺ホルモンが不足すると、認知症になる事もあるので、甲状腺ホルモンの測定を
心がける
ビタミンB1を栄養剤で補給する時は、B1単独の物がよい。
年を取ると、痛みや喉の乾きに鈍感になる。風呂の前にも水分補給を
窒息や転倒に注意。転倒して骨折しないように、散歩を心がけて下肢の強化

さらに詳しく知りたい方は
「ピンピンコロリの生き方」  「いろはでボケ封じ」 若林ライフ社 をお読みください。

ページ作成 S53年卒岸政輝 & S50年卒谷村瑞栄&リポート34年卒町田&カメラ50年卒前渕