『天下の台所―大阪』の礎を築いた『淀屋』パート2
講師蒲田建三氏
(昭和36年卒)のお話しを最前列で伺った。
講師の熱情の鼓動が聞き取れる位の近さであり、
江戸時代に引きずり
込まれるような臨場感の中で展開されてゆく講義に呑まれながらあっと言
う間に時が過ぎた。
資料として映し出される古文書は「闕所」という死刑や追放刑の付加刑
としての財産没収等の苛酷な
内容にも拘らず、その見事な筆跡に心を捉
えられたり、さらにその文字をすらすらと流水の如くに読みこなされる淀屋
研究会の副代表にも感服しました。
帰途市バスであらためて大川沿いの秋灯に心惹かれつつ淀屋橋にさし
懸かった。何とその橋袂、夜風に吹かれる柳の蔭に昭和36年三月、市制
施行七十周年記念に大阪市が建てた淀屋の宅地跡の碑と淀屋米市の盛
大さを示すライオンズクラブの絵入りの由来を刻んだ大石が昔を今に語り
続けていた。
今回は2回目であったが1回目に続き多くの参加者があり、諸先輩方が
熱心に聞いておられる姿を拝見して改めてこのようなテーマに対する関心
の深さを感じた。
講師の蒲田くんの、この方面に対する造詣の深さは相変わらずでしたが、
特に文献に対する調査能力、洞察力、思い入れの深さは半端ではないこ
とを再確認。
江戸期の文語調の資料をすらすらと読んでいる姿は正に国語学者の趣。
先日も所用で中之島公会堂へ行く機会があり、その際淀屋橋を通って
行くわけだが、そんな際も2回のこの講演のお陰で、淀屋の主や番頭、
ひいては大阪の庶民の当時の生活を思い巡らしながら通っていくことがで
きる、楽しいことである。
淀屋橋に程近い大手前から阪大、関電と中之島界隈で50年近くを過ご
した蒲田くんの今後のより一層の研究を期待、またの発表を待ちたいもの
です。