46億年前に地球が誕生し、37億年前に生命が誕生し、原核細胞から真核細胞に、
単細胞から多細胞の生物へ、無性生殖から有性生殖へと進化してきたこと、多くの人が
一応の知識として持っているであろうことから話が始まったが、簡潔にまとめられると、
そうであったな、そうであったかと大変勉強になりました。
クラミドモナスは高校生物の最近の教科書にも名前がでてくるそうですが、私は
知りませんでした。おそらく今日のセミナーの多くの出席者もそうではないかと思います。
この生物が環境の悪化により無性生殖から有性生殖へ切り替わるという生物進化の
過程において占める位置を説明してもらったことで、進化がより具体的イメージで
理解できました。
集団見合いのような群になっているのが、2つずつのペアになるスライドなどは
面白かったですね。
締めくくりの、有性生殖に進化した代償として不死でなくなったという話にも、改めて
人は皆死ぬ存在であることを納得しました。
私事になりますが、講師と私とは大手前地歴部で後輩先輩になり、一緒に
岸田先生のお供をして八ヶ岳や白山などに何度か登りました。その山道あるいは
山小屋で学問的な話を聞いたことはありませんでした。今回初めて講演を聴いて
さすが大学の先生は難しい内容を分かりやすく話をするものだなと感心しました。
仮に一年間の「教養としての生物学」という講座があれば最初とそしてもう一度
最後にもしっかり聴きたくなるようなお話でした。
ご自身の高度な専門分野はグッと押さえて説明されたので、理系アレルギーの
私にも分かり易く細胞やDNAと言ったものが身近に感じられましたし、生命や進化
というものに対する興味も改めて引っ張りだされた気がします。
とにかくミクロ単位の話は同時に地球規模の話でした。刻々の細胞分裂は46億年
の歴史を持つ話、単細胞生物からあらゆる複雑高度な動植物への発展、厳しい選択
と淘汰の摂理だって人間の愛へと昇華していく・・・。それは無性と有性、 生と死、
あるいは無限と有限といった哲学に通ずるような話でもありました。
同期生の各方面での活躍を知ることは同窓会の醍醐味の一つです。学究分野
だけでも宇宙工学から原子物理学、経営学やお猿の研究と我が学年もとにかく多彩。
そして今回は細胞生物学の権威から、広くて奥深く神秘的、とても生き生きと
躍動的でさえある話を聴くことができました。
スクリーン画像 レジメ、お話と、同級生自慢のネタがまたひとつ増えましたよ。
たくさんのお弁当やお茶、会場など様々な準備をされた皆様にも感謝です。
有難うございました。