今回は同級生の森田君。卒業後35年たちましたが昔の印象しかなくて、
「森田君の笑った顔、見たことある?」って女同士で噂するような堅物のイメージが
強いまま、同窓会気分で参加しました。
商社を辞めてフィリピンでサトウキビのプランテーションをしているらしいと
いうことは前から聞いていましたが、他には情報もなかったので、「外国で頑張る
森田君の成功話」を聞きに行こうという軽いノリでした。でも話が始まるとその内容
自体がとても興味深くてどんどん引き込まれていってしまいました。
アジア、農業、
エネルギー、エコ、世界経済、・・・切り口はとても多彩で、
知らなかったことや、
今の時代に考えないといけないことなどが、普段新聞も
読まない私に「これが世の中の現実だ」と次々たたきつけるような勢いで
ぶつかってきました。
砂糖産業とバイオエネルギーを中心とした個人的な事業の業績や結果の話なのに、
その過程の中にある様々な問題から、日常生活と切り離せない大事なことを
たくさん考えさせられる貴重な機会を持つことが出来ました。
また、大柄な体でスケールの大きな話をされると威圧感を感じるはずなのに、
細かく丁寧に用意されたプリント資料やスライド、率直な話しぶり、そして、かつては
知らなかったソフトな笑顔!のおかげ?で、内容がとてもスムーズにこちらに
伝わってきて、最後は何故かとてもさわやかな気持ちになりました。
お土産に手作りの廃油石鹸までもらい、なんだか一石三鳥気分の講演会でした。
いつも暖かい雰囲気で一般ゲストを迎えてくださる金蘭会セミナーに感謝いたします。
森田さんは同級生でも体が大きくわりと野生的(失礼!今は紳士です!)でしたが、
このような自然を相手にしての人生を送っているのですね。
興味深かった話は、「〜人を信用してはいけない。植民地根性がしみついている。
従業員は会社の収穫物を盗ることに罪悪感がない。」という経験談ですね。
明るく話しておられましたが、現地での会社経営は大変なものだと思いました。
もうひとつためになったのはバイオエネルギーのお話。かっては廃棄せざるをえない
余剰物資であったバガス(砂糖の生産過程で生じる繊維質)や食用でもないジャトロファと
いう植物が有望な燃料になっているそうで、大変勉強になりました。(ジャトロファ投資話に
騙されてはいけないそうですね、う〜む。)
最後のほうで、農業者にとって大敵である雑草を山羊に食べさせるという試みも
聞かせていただきました。「ほっておくと山羊を従業員にもっていかれるので、
どうやって山羊を守るか?」のコメントには大笑いでした。(森田さんには笑い事では
ないのですけど)
砂糖を中心とした農業生産とバイオによるエネルギー問題への貢献など、
ふ〜ん、と感心したりびっくりしたりの楽しい講演会でした。
森田さんのこれからのますますのご健闘、ご活躍を祈ります!