WEB金蘭会
金蘭会セミナー


第137回
平成22年4月16日(金)
演題
「江戸時代から今も続く町の学問所・心学明誠舎」
〜浪花庶民の底力と経済力の源泉〜
講師
中尾敦子氏 (昭和36年卒)
京都大学教育学部非常勤講師
(社)心学明誠舎副理事長 吹田市生涯学習推進市民委員会委員長
 

中尾敦子氏 プロフィール

大阪府立大手前高等学校卒業
京都府立大学農学部卒業
京都大学大学院教育学研究科修士課程入学
京都大学大学院教育学研究科修士課程修了
京都大学大学院教育学研究科非常勤講師

NPO法人「高齢社会をよくする女性の会」理事
「高齢社会をよくする女性の会・大阪」副代表
社団法人心学明誠舎副理事長










セミナー後の懇親会での お弁当と
季節の本格和菓子です。

第137回金蘭会セミナー 感想文




(感想文  昭和21年高等科卒  島崎倭和子)


 今回セミナーで私は石田梅岩と言う人の名前を知りました。
 江戸時代、関東には足利学校、関西には適塾、西国には閑谷学校など有名な塾や
学校がありましたが、それらは幕府や藩によって運営され士族の子弟が参加して
学んだのであります。

 石田梅岩は京都亀岡の農家の出身で若いころ商家に奉公しながら勉学し、「民が
豊かにならないと国は豊かにならない。民の富が経済の根本」とする思想を説いて、
江戸中期の1729(享保14年)に京都市内で心学の講座を始めました。講科は無料、
商人も武士も参加、しかも女性も聴くことが出来たそうです。

 梅岩の思想の中核は「勤勉」「正直」「倹約」です。梅岩の講話を聞いた大勢の
弟子達によって日本全国に広がって行きました。

 梅岩が講を開いた頃は元禄の好景気が終わり経済活動が停滞していた時期だから
今の日本と同じです。梅岩の思想が最近大いに注目される「石門心学講演会」も
大阪の地で開催されているようなので一度聴講したいと思います。
 




(感想文  昭和27年卒業  角谷 正 )


 今回の「心学」に関しては、梅岩の遺した「学徳」は江戸時代の通じて多くの
人々から尊敬せられ各地の「舎」の組織を通して大きい感化を国民に与えたもので、
梅岩が生まれ、それを地盤としてのその思想を形成した封建社会が明治維新の
境として近代社会へと大きく発展すると共に、一応その「史的な使命を果し全国を
通じて数百を数えた学舎も、この社会的大変革の前後に大半は廃絶した。

 又梅岩の説いた勤勉・正直・倹約の経済倫理は大きい基礎と背景のもとに形を変えて
維新後の資本主義社会発展の中に生きて、近時新しくその意義は再発見されている。

 

セミナーのレジュメです。


ページデザインS53年卒岸政輝 & ページ作成S50年卒谷村瑞栄