WEB金蘭会
金蘭会セミナー


第146回
平成23年3月25日(金)
演題
釜ケ崎における健康支援 ―大阪府・市民の生活・健康問題を考える―
講師
逢坂隆子氏(昭和35年卒)
四天王寺大学大学院 人文社会学研究科教授
 



講師逢坂隆子さん

逢坂隆子氏プロフィール
昭和35年 大手前高校卒
阪大医学部卒  医師  医学博士
阪大医学部助手  豊中市保健所所長
花園大学福祉研究科 科長 教授 等を歴任
現在: 四天王寺大学大学院 人文社会学研究科 教授
NPO ヘルスサポート大阪 理事
研究分野  社会福祉学 公衆衛生学 保健科学
活動分野  大都市住民 ホームレス等 の 健康支援 等々
 
  


大入り満員





お話し開始





質疑応答





後の懇親会





お弁当と和菓子

第146回金蘭会セミナー 感想文




(感想文  昭和35年卒  橘田和雄)

 

 正直なところ講演が始まるまでは、演題が今は大阪府民ではない私にはそれほど興味を
そそられるものではないし、一般的にもどちらかと言えばやや地味な主題かなと思っていたの
ですが、話が始まるといつの間にかグイグイと引き込まれスライドとレジメに眼鏡を上げ下げ
しながらのあっという間の一時間余りでした。 

 それは、紙の上の知識ではなく釜ヶ崎・浮浪者という我々普通一般人が係わることを恐れ
忌避 するような環境に逢坂氏自ら深く入り込んだ現場体感に裏打ちされた生々しい内容で
あったからでしょう。 戦後60年以上も経ち経済大国と自他共に認める現在の日本にこのような
現実が存在し、且つ多方面からの改善努力にも拘らず根本的な解決には程遠いということへの
苛立ちと、だからこそ更なる支援活動が不可欠だという氏の強い思いをひしひしと感じました。
 古稀も近い氏の年齢でのこのパワーと使命感には只々敬服するばかりです。 同期生の
一人として心から声援を贈りたいと思いました。

 講演内容もさることながら、氏の話しぶりも良かったですね。明快且つザックバランで分かり
やすく、いい意味での大阪のオバチャン的な迫力がありました。これも長年培ってこられた自然な
話術の巧みさでしょうか。 

 私自身としては、金蘭会の講演は初参加(大手前高校校舎を訪れたのは何十年ぶり)でした
が、金蘭会の組織そのものを一挙に身近に感じることができ今後は時折訪れようという気になる
ことができたのも今回の収穫でした。









(感想文  昭和35年卒  森野かをる)

 

 公衆衛生学、社会保健学を専門分野にする逢坂隆子さんが、大阪府の平均寿命が全国の
最下位に近いのはどうして? という疑問を持って原因追求するうちに、釜ケ崎の結核を減らす
活動を始めたこと。

 色々な問題を抱えている釜ケ崎の人達に結核検診を受けてもらい、患者を見つけだし入院
治療をし退院させる迄の諸々の努力や苦労を、彼女の日頃の釜ケ崎のおっちゃん達とのやり
とりを思い起こさせる様な、ざっくばらんで、温かく、力強い話しぶりに、会場一杯の同窓生達は
とても心動かされました。

 講演後お弁当を食べていると、同級生の一人が、「僕、奥さんに先に逝かれてん。僕が死ん
でお金残してもしゃあないから、少しやけど逢坂さんの役に立てて。」と、その場でNPOヘルス
サポート大阪の賛助会員になり、寄付を申し込んでいました。

 そう云えば私達の在校中にも、結核の治療の為休学したり留年したり、体育系のクラブ活動
を止められたりした同級生が少なからずいたなあと思い出しました。 栄養状態も良くなり抗生
物質も容易に手に入るこの時代になっても、結核患者がなくならないけれど、路上生活者の
結核患者をなくさなければ解決しないのですね。 逢坂さん達の活動に頭が下がり、感謝の念
一杯です。

 東日本大震災の2週間後でもあり、その悲惨な爪痕や福島原発事故の放射線問題などに
心痛めつつ初めて金曜セミナーに参加しましたが、私も何かの形で社会に役に立つことをしよう
との心を新たにした浅春の夕べでした。

 

セミナーのレジュメです。





































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