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金蘭会セミナー


第148回
平成23年5月27日(金)

演題
「講書始で語る―海洋アジア文明交流圏」
講師
立本成文氏[タチモトナリフミ](昭和34年卒)
総合地球環境学研究所 所長
 


講師写真

立本成文氏 プロフィール

専門分野
 人間科学、社会学、文化人類学、社会文化生態力学、東南アジアの地域研究

学歴
 京都大学文学部哲学科卒業(1963)
 京都大学大学院文学研究科社会学専攻修士課程修了(1967)
 シカゴ大学博士号人類学修得(1974)

職歴 
 マラヤ大学日本学講座客員講師(1967-1969)
 京都大学東南アジア研究センター研究員(1969)
 京都大学東南アジア研究センター助手(1969-1975)
 京都大学東南アジア研究センター助教授(1975-1977、1979-1980)
 在インドネシア日本大使館一等書記官(1977-1979)
 京都大学東南アジア研究センター教授(1980-2002)
 京都大学東南アジア研究センター所長(1998-2002)
 京都大学名誉教授(2002)
 中部大学国際関係学部学部長・教授および同大学大学院国際関係学研究科長・教授(2002-2004)
 中部大学大学院国際人間学研究科長・教授(2004-2007)
 総合地球環境学研究所所長(2007)

受賞歴
 毎日新聞社第2回アジア・太平洋賞特別賞(1990)
 大同生命地域研究賞奨励賞(1990)、紫綬褒章(2003)














セミナー後の懇親会での お弁当と
季節の本格和菓子・あゆです。

第148回金蘭会セミナー 感想文




(感想文  昭和34年卒 水澤健一)

  「講書始で語る―海洋アジア文明交流圏―」を拝聴して

 天皇陛下に、同期の立本さんが御進講をされた内容を金蘭会セミナーで恐れ
多くもご講演頂けるとのことで、これは何をさておいても拝聴せねばならぬと思い
出かけた次第。

 始めに御進講の様子のお話がありました。物珍しく、興味深く聞かせて頂きま
した。
御進講は明治2年に始まり、名称・テーマの変遷が有りましたが今に続いている
とのことや、広い部屋に天皇・皇后両陛下だけでなく、皇太子始め皇族の方々、
侍従長や政府の代表、学識者も招待・聴講され、写真撮影は室外から一か所の
窓を通してのみ、更に、万一に備え進講者一人に進講控えが一人つくという、
想像したよりも格式が高いように思われ、さすがだなとの思いでした。また、司会
者がいないので何の合図も無く、決められた時間に従って粛々と進んで行くとい
うのにも感心しました。
進講者の紹介については、最近になってされるようになったとのこと。

御進講の内容は、東南アジア特にマレーシアのマラッカを中心とした海洋アジア
文明交流圏を取り上げたものでした。世界は4色の帯、即ち、北から北極の白、
中央アジアの黄色(砂漠)、その外(南)側で海に近い緑、そして、海洋の青との
こと。なるほどと感銘を受けました。この海洋が内陸のシルクロードに匹敵する重
要な交易のルートでしたが、シルクロードのように道としては残っていないし、内
陸で隆盛した大帝国もない。マラッカのように交易港として点在しているのみであ
るとのこと。これには、あぁ、そうなんだと納得しました。

 御進講には含まれていなかったと思われる「無縁社会」についてのお話もあり
ました。
これはかなり難解で、「ヘテラーキカル」とか「コミュニタス」とか日頃聞きなれない
言葉が出てきました。共同体ではなく共同態がノーマルとのことでありました。
自分なりに考えてみると、色んな考え方をする人達がハイアラーキーに組み込ま
れずに自由な立場でいることかなと思っています。

  そういえば、マラッカは大帝国には属していなかったようだし、マラッカから100km
位のクアラルンプールを首都に持つマレーシアは、九つの地域の王(スルタン)が
5年毎の輪番制で政治の実権を持たないマレーシア国王を務めるという特異な
君主制を持つ、言わば、共同態のひとつなのかな?(了)

 




(感想文  昭和34年卒 生駒和子)

  「講書始で語る −海洋アジア文明交流圏」を拝聴して

 まず講書始が明治2年に始まる古い宮中行事で、今日の様に3分野の講義と
なったのは昭和28年で、各分野の3名の講師と翌年の講師3人が参加される事。
講義はわずか15分。資料を写す掲示板もないとの事。
後日開かれる食事会は、3時間に及び両陛下がよくお話になり、記憶力も抜群
との事。

きっと各分野で活躍される講師から直接話を聞く機会を楽しみにされている様子
が目に浮かんだ。

同期生である立本氏の現在の職場の写真を拝見したが、京都北部の素晴らしい
地に、立派な総合地球環境研究所があるのに感心。

講義内容は宮内庁のホームページで全文読ませて頂いたが、陸のシルクロード
に対して、海の海洋アジア文明交流圏があり、「これが文化交流、環境問題と考
える上で、今後ますます重要性を増す。」と結ばれたのは、さすが地球環境研究所長!!
金蘭会の同期生の活躍を嬉しく思いました。

 



セミナーのスライドです。













































ページデザインS53年卒岸政輝 & ページ作成S50年卒谷村瑞栄