WEB金蘭会
金蘭会セミナー


第170回
平成25年7月19日(金)

演題
「尊厳死」について     ━人生の晩節を全うするために━
講師
中村聡子氏 (昭和46卒)  日本尊厳死協会会員  小売業
西村 渡氏 (昭和46卒)   日本尊厳死協会理事  弁護士
畑中治朗氏 (昭和33卒)  日本尊厳死協会理事  社会福祉法人役員
 











第170回金蘭会セミナー 感想文


(感想文 井上 宏  昭和33年卒 )

  重いテーマで躊躇もしたが、必ず直面する問題であると思い、受講した。会場は溢れんばかり
の受講生で、関心の高さを実感した。

  講師は昭和46年卒の中村聡子氏と西村渡氏、そして我が同期の畑中治朗氏。中村氏と
西村氏は尊厳死とは何か、尊厳死の実現に向けて、妨げているものと法制化の必要性について
話され、畑中氏が尊厳死を望まれた母上の介護と看取り78日間の体験を話された。
  それぞれが 考えさせられる内容であったが、私に与えられた役割として、畑中氏の体験談を
紹介し、感想を述べたい。

  畑中氏の母上は、85歳の時、自らの情報収集とご意志で尊厳死協会に入会された。畑中氏は
その1年後に入会した。母上は90歳で認知症を発症され、95歳で京都のグループホームに入所、
幸せに暮らしておられた。ところが98歳の昨年8月、大腿骨頸部骨折で入院、その3日目、
誤嚥性肺炎を起こされた。主治医は手術及び人工的栄養・水分補給施行を主張した。

  畑中氏は本人の意志を尊重し、拝辞、自宅での看取りを申し入れたが反対を受けた。話し合い
を重ね、奔走した結果、病院との緊急連絡体制や訪問診療担当の医師を決め退院、8月30日に
医師の訪問開始、以後家族が24時間、交代で看取ることとなった。

  家に戻り、病院でできた褥瘡も消えた。摂食は1日100キロカロリー、水分は氷小片を与えた。
痰を詰まらせた時には、経口で吸い取ったこともあると言う。3日寝・3日起き、穏やかで、時には
冗談も言う日々が続いたが、ついに78日目、帰らぬ人となられた。平穏な死であった。

  母上も家族も実に立派だと感動した。理想の形であると思う。ただ、自宅での看取りについては、
老年の連れ合い・仕事も家族も持つ子供たちに、その態勢を求めることが一般的に可能だろうか。
  社会全体として今後クリアーすべき点も多いとの印象を持った。

 


(感想文 銭谷宗之  昭和46年卒 )


「尊厳死について〜人生の晩節を全うするために〜」 かなり重い感じがするなぁと思いました。
ですが、自分自身も華甲を迎え、両親ともに見送った者として「終活」を考えるよい機会を頂けたと
感謝しております。

  来るべき自分の晩節時に、健常な今現在の自分の意思を実現してもらうにはやはり尊厳死を
法制化するのが良いと思いますが、多難な道のりだろうと………。

  この一年急用で1回不参加でしたが、元気な先輩方の背中を後ろの席から毎回見ていて、
このセミナー参加者では自分は若造の範疇だと少しですが嬉しい思いもしております。
        

 













 

 

セミナー後の懇親会での お弁当と
1タームの終わり紅白饅頭ですね。
皆勤賞の表彰です。

 

セミナーのご提供資料です。


尊厳死について
―人生の晩節を全うするために―
「朗々介護(*@)の78日間」
昭和33年卒  畑中 治朗

クリックしてください。PDFでお読みいただけます。


ページデザインS53年卒岸政輝 & ページ作成S50年卒谷村瑞栄