「上方落語あれやこれや」を聞いて
現在、たった二人しかいないという落語作家。今回の講演者、くまざわあかねさんは
そのうちの一人だという。落語作家の仕事は、新作落語の台本を書くことだが、その他に、
落語やそれに関連することについても、新聞、雑誌、ラジオなど各方面に書いたり、話し
たりしているそうだ。空堀商店街付近で電化製品などを一切使わない、落語の時代の
生活体験については、『落語生活ことはじめ』にまとめられている。
落語、噺家さんの東西比較や、裏話を聞いて、落語の世界の見え方が変わったように
思う。噺家さんによって、出囃子が違うことや、出方にそれぞれの性格が表れているという。
羽織の脱ぎ方一つにも特徴があるそうだ。次回、落語を見るとき、そっと確認してみたい
と思う。
今回、「上方落語あれやこれや」を聞いて、落語というものを以前よりずっと身近に感じた。
大学を卒業した頃、彼女は定期的にフリーペーパーを作り、その度に実家のポストに
そっと入れておいてくれた。決して雄弁ではない彼女が、受験勉強の合間に将来の夢に
ついて、熱っぽく語っていたことを思い出す。若干高校生であり、しかも、未熟者であった
私には、彼女が将来どんな仕事に就きたいのか、正直分からなかった。
その後、しばらく
して、彼女の記事を新聞で目にするようになり、ラジオで声を聞くように
なり、
そして、ある日、
「咲くやこの花賞」を受賞した彼女を新聞の紙面で発見した。
大賞を受賞した彼女は少し
はにかみながらも、誇らしげだった。現在は浪曲の台本も
手掛けているという。落語作家、
くまざわあかねさんの今後の活躍が楽しみである。
同級生の講演を聞き、卒業以来の恩師(ヤマゲン先生、ミナミ先生)にもお会いでき、
そして、錚々たる先輩方とご一緒できて、久しぶりの大手前を感じました。若かったあの
頃には感じたことのない、満ち足りた、幸せなひとときでした。また、参加させていただき
たいと思います。ありがとうございました。