大阪と言えば食道楽の街。おいしくって安くってお得感があるものが好き。ちょっと
くらい遠くてもおいしいもののためなら苦もなく行けてしまいます。
私自身もチョコレートにはまっていたときには「おいしいチョコレートと言えば
ベルギーよね」と真冬のベルギーに行ったこともあるくらい…。でも、地元大阪の
スイーツとなると「?」でした。
洋菓子は神戸、和菓子は京都が有名で、大阪でおいしいお菓子屋さんが
ちっとも浮かんでこないのです。大阪にそんなすごいスイーツがあるのかしら、
もしあるとしたらぜひとも知って食べてみなくては!と鼻息も荒く今回のセミナーに
参加いたしました!
講師の三坂先生は関西スイーツの代表として、お菓子が好きな人と
お菓子屋さんをつなぐためのサイトを運営しておられます。明るく、かわいらしい方で、
何事にも一所懸命、誠心誠意尽くされるお人柄が、お話しぶりから伝わってきます。
だからこそ普通に考えれば理不尽とも言えるようなことでさえもご縁となり、
今の仕事へとつながっていったのではないかと思いました。
講演は三坂先生ご自身のお菓子とのかかわりや取材時の様子をお話しされながら、
大阪のお菓子の歴史、大阪の名店をご紹介くださいました。
お菓子自体は知っていたけれど、そんな歴史があったのか、作り手の気持ちは
そうだったのかと、おいしそうなお菓子の写真を見ながら、新しい発見がいっぱいでした。
なかでも、心に残ったのは、シェラトン都ホテル大阪の『イチジクのケーキ』です。
ハレの舞台に立てなかった切り落としの部分を手間をかけることで、食材を無駄にせず
おいしいお菓子へと変身させているのです。知らずに食べたらただのおいしいケーキです。
でもこのお菓子の成り立ちを知り、パティシエのお菓子にかける愛情を知って食べたら、
いっそう味わい深いものになります。食べておいしければそれでいいのかもしれませんが、
今回のお話を伺うことでお菓子の楽しみ方をよりいっそう拡げていただきました。
今後は一つひとつのお菓子に込められた思いや歴史に思いを馳せながら、
先生の著された『大阪のスイーツ108』をガイドに、大阪のお菓子屋さんめぐりをしたいと
思います。
楽しくおいしいお話をどうもありがとうございました。