もはや初老とはいえない私および同じ年頃の友人たちにとって、「間近に迫った高齢期を
生き抜くすべを知りたい」、「長患いで苦しむことなくこの世を去りたい」、そして、「自分の
身体のコントロールができなくなったとき安心・安全に過ごせる場所を見つけたい」というのは
切実な願いです。
同期で医師の中村猛さんがこれらのテーマに沿って金蘭セミナーで講義をなさるという
ニュースが伝えられ、同期生はセミナー会員もビジターもこぞって会場に集まりました。
中村猛さんは、浪人生時代の淀川堤の散歩、研修医時代の犬の生存実習の経験など
彼の今日のあり方のきっかけともなった若き日のエピソードを交えつつ、また脳死・安楽死など
に対する評価が医療界でも定まっていないという実情を明かしつつ、穏やかで誠実な語り口で、
私たちの不安を取り除き、社会奉仕に参加することで実りあるシニア生活を送れると示唆して
下さいました。
さらに、健康自立型施設として構想された「みどりの館」プランは高齢シニアに大いなる
希望を与えるものであり、様々な団体・自治体などの賛同・協力を得て、望む人をすべて
受け入れられる壮大な規模に発展することを願っています。
例年になく冷え込む師走の日々でしたが、19日だけは、講師と聴講者との熱気のお蔭で
いつもより寒さが和らいでいるように感じました。
中村猛先生(同期ですけれどお医者様なので先生です)ありがとうございました。
中村さんの お話はユーモアたっぷりのご自分の生い立ちから始まりました。
小学校の時から七転び八起きの人生だったようで、成人され外科医師となられてからも
メスを
包丁に例え、演歌「月の法善寺横町」のような人生だったとのことで、座右の銘は、
以前は
「七転び八起き」だったが。今は「日々是好日」になったと。
セミナーのタイトルに結びつく、健康寿命の延長にも心を砕いておられ、日野原先生、
三浦雄一郎さんのような生き方や鴨長明、夏目漱石のような人生についての考え方を
示唆され、自分の生き方も少しは考え直し長生きしなければと思った。
さて、長生きして何をするのかですが、ライオンズクラブ創設者のメルビン ジョーンズの
モットーである“We Serve” (われわれは奉仕する)に則り、社会への恩返しの心で頑張ろう
というのが中村さんの主張されるところです。
「社会への恩返し」には様々なやり方があるのでしょうが、中村さんは医師の立場から、
シニア世代の健康寿命を延長させることを選ばれた。
シニアの心と身体の健康維持には「様々な人達と対話・交流をして、決して孤独にならない」
が肝心です。
時代が変わり、今は、家族と過ごすことができないシニアが増えました。そんなシニアが
孤独にならないためには各種施設に入るのが良いのですが、どこも一杯でパンクしそうな
状況です。中村さんは、ライオンズクラブによる社会奉仕の一環としてシニアのための施設の
運営に携わっておられます。
平成27年5月には、自立者用有料老人ホーム「みどりの館」が枚方市に完成予定です。
上記例の施設利用などにより孤独シニアにならないようにし、
・人生を感謝してユーモアに溢れ、楽天的に健康に暮らそう。
・良き仲間と世のため人のために働き、人生精一杯頑張ろう。
です。皆さん、余生をこのように生きましょう。
質疑応答の時間に、
「みどりの館に金蘭会枠があるか?」との質問があり、中村さんから「検討します」との言葉が
あった。
以上、同世代を生きるものとして多くの共感を覚える ご講演でした。