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金蘭会セミナー


第200回
平成28年7月15日(金)

演題
「世界と日本のエネルギー問題を考える」
講師
十市 勉氏(昭和39年卒)
(一財)日本エネルギー経済研究所 研究顧問
 


十市 勉 (といち つとむ)氏 プロフィール

【略歴】

一般財団法人 日本エネルギー経済研究所  研究顧問 専門分野:エネルギー、地球環境問題

1945年 ( S 20年)  12月26日 生
1968年 ( S 43年)  東京大学理学部 地球物理学科 卒業 
1973年 ( S 48年)  東京大学理学系大学院 地球物理コース博士課程 修了、 同 理学博士 
1973年 ( S 48年)  (財)日本エネルギー経済研究所 研究員  
1978年 ( S 53年)  同 主任研究員 
1983年 ( S 58年)  米国 マサチューセッツ工科大学(MIT) エネルギー研究所 客員研究員 
1985年 ( S 60年)  第1研究室 室長
1991年 ( H 3年)   .総合研究部長
1994年 ( H 6年)   .理事・総合研究部長 
2000年 ( H12年)   常務理事・第1研究部長
2001年 ( H13年)   常務理事・首席研究員
2006年 (H18年)   専務理事(最高知識責任者) ・首席研究員
2011年 (H23年)   顧問
2013年 (H25年)   研究顧問

【主な著書】

・『シェール革命と日本のエネルギー』(電気新聞ブックス エネルギー新書、 2013年10月著、2015年1月改定)
・『実現可能な気候変動対策 -政策・経済・技術・エネルギーのバランス』 (共著、丸善出版 2013年)
・Climate Change Mitigation - A Balanced Approach to Climate Change (共著、Springer/英2012年)
・『21世紀のエネルギー地政学』       (産経新聞出版、2007年12月)
                            第28回エネルギーフォーラム賞普及啓発賞受賞
・『歴史から読む現代経済』 12章 エネルギーの覇権 (日本経済新聞社編 2005年)
・『資本主義の未来を問う』 15章 資源・環境と世界 (日本経済新聞社編 2005年)
・『エネルギーと国の役割−地球温暖化時代の税制を考える』 (共著、コロナ社 2001年)
・『石油−日本の選択』              (日本能率協会マネージメントセンター 1993年)
・『第3次石油ショックは起きるか』       (日本経済新聞社 1990年)
                            第11回エネルギーフォーラム賞優秀作受賞
・『シリーズ世界の企業 石油産業』      (編著、日本経済新聞社 1987年)
                            第8回エネルギーフォーラム賞受賞

【政府審議会等委員 ・その他】

関西電力(株) 社外監査役 (2015年6月〜)
多摩大学 経営情報学部 客員教授  (2012年〜)
東京都 電力需給スマート化検討会  (2012年)
内閣府 行政刷新会議 分科会WG 評価者(2010年、2011年)
独立行政法人 評価委員会 臨時委員(−2009年3月)
総合資源エネルギー調査会 臨時委員(−2007年3月)
東京大学生産技術研究所 顧問研究員(1999年−05年)
慶応義塾大学 経済学部 非常勤講師(2001年−04年)
参議院経済産業委員会 客員調査員(2001-02年)
内閣府経済財政諮問会議 日本21世紀ビジョン・グローバルWG 委員(2004年-05年)

 













 


第200回金蘭会セミナー 感想文

(感想文 寺倉 寿子 昭和39年卒 )

 

 

 

 福島の原発事故以来、いやずっと前から原発アレルギーだったわたし。 でも十市さんの
お話は、エネルギー問題は「原発はイエスかノーか」では語れないことを教えてくださった。

 エネルギーの8割以上9割近くが化石燃料に頼っている世界の今、もしこのままいけば、
大気汚染、温暖化、オゾン層の破壊など、負の連鎖は止まらず地球環境は最悪の事態に
なりかねない。再生可能エネルギーの研究開発はもちろんさらに進めるべきだが、新たな
規制基準を設けた原発についても冷静な国民的議論をする必要ありと。

 国と国との紛争や内紛など政治的な要因も含めて、エネルギー問題はさまざまな要因が
絡み合っていること、自国のことだけではなく地球の問題として考えていかねばならない
ことなど、心から納得できた。

 原子力の分野に進む若者が減っている現実に心を痛めておられた。放射性廃棄物の処理
問題や、万が一の事故対応力の問題、原子力のさらなる平和利用などの未来を考えると、
優秀な若い科学者がこの分野で活躍してくれることを待ちたい気がする。

 穏やかな語り口で地球人としての正確な視点から話してくださったが、わたしには、エネル
ギー問題についてしっかりと世界の現実を知ったうえで考え、それぞれのライフスタイルも
変えていく覚悟が必要だとあらためて促された気がする。

 人間の力が及ばない自然災害を機に地球物理学の世界に入られ、「地球」「宇宙」という
大きな大きな世界の未来を見据えて研究を深めてこられた十市さんのお話はとてもおもしろく、
エネルギー問題の未来は困難を極めても、そこには人間の叡知が希望をもたらしてくれる
ような予感もあり、わたしも日々のくらしの中でひとり分の責任でも果たしていきたいと思った。

 こうしてさまざまな所で話されたことが、エネルギー問題のよりよい方向への流れになって
いくことを願った時間でした。      

 十市さんありがとうございました。





 

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