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金蘭会セミナー


第68回
平成15年5月16日(金)
演題
芥川龍之介・作 『杜子春』
講師
楠 年明氏(昭和27年卒)
俳優
昭和33年(1958)関西芸術座入団
以後、舞台・TVドラマなど演劇活動を続け現在に至る。(現在・フリー)
舞台:山崎正和「呉王夫差」
KTV「青春の深き淵より(芸術祭大賞受賞)」など多数に出演。

今回で、講師を務めてくださるのは二度目です。
杜子春の朗読をしてくださるということで、楽しみでした。

杜子春という若者が仙人になりたいと、仙人の元に行く。そこで出された課題は、
「修行としての瞑想の間、何があっても言葉を発してはならない」
というものでした。
その間、蛇や虎に襲われそうになり、雷鳴はとどろき、最後は鬼と、閻魔大王がやってきた。
どんな目にあっても、一言もしゃべろうとはしないので、閻魔大王は しゃべらなければ、杜子春の両親をひどい目にあわせる、という。
そのとき、両親の、杜子春を想う言葉が聞こえてきて、たまらず、言葉を発してしまう。
その後、「私は両親をむごい目に合わせてまで仙人になりたくない」と、言うと、仙人は
「両親が苦しんでも、何も言わなかったならば、お前を殺そうと想っていた」と、言った。

このように、内容としては予想のつくものでしたが、楠氏の朗々とした声で語られると、 思わず真剣に聞いてしまう、水を打ったように静かな会場でした。
ますますのご活躍をお祈りいたします。


ページ作成 S53年卒岸政輝 & S45年卒辻岡由起