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金蘭会セミナー


第72回
平成15年10月17日(金)
演題
夫婦創姓論について
講師
鎌田明彦氏(昭和37年卒)
京都府立総合資料館 勤務

まずは「夫婦創姓論」とはどういうものか。
成人した人のフルネームは、姓(せい)・呼(こ)・名(めい)となる。
鎌田氏の書物からの例をとると、未成年の時に、山本花子であった人と、大津太郎であった人が、結婚して、瀬田という姓を創造するのである。それが創姓ということになる。
その時の二人のフルネームは瀬田山本花子と瀬田大津太郎となる。
そして、二人の間に友和と和子が生まれたら、それぞれ瀬田友和と瀬田和子になる。瀬田大津太郎が学校の先生であったら、学校では大津先生と呼ばれ、家の近所の人からは瀬田さん宅のご主人と呼ばれる。今は多くの女性の場合、結婚によって職業上の姓が変わっているが、それがないのである。
さらに感心したことはちゃんと家族名が「姓」として存在することだ。
かねがね夫婦別姓論を聞くにつけ、子供の姓はどうなるんだろう、と思っていた。
鎌田氏曰く「夫婦別姓ではどうしても母子別姓になる傾向にあるのは、実際夫婦別姓を採用している中国、韓国をみても、わかる。
また、中国などで夫婦別姓を採用しているということはかなり以前から分かっていたのに、欧米で言われだしてから、急に別姓論が言われだしたのはどういう訳か。」と欧米かぶれの日本人の傾向を指摘。
さらには、「別姓を採用するもしないも個人の自由だ、と事あるごとにいう。自由選択性というのは非常に聞こえのいい言葉だが、自由選択していい領分と、ルールを決めたほうがいい分野とがあるはずだ」と力説。確かに今日の晩御飯に何を食べようというのは個人の自由だが、日本では姓、名の順で言う、などというのはルールとして決められていないと日常生活が混乱する。ただ、創姓論で反対されるとするなら、家名、というかルーツというかそれが分からなくなる事。
「それならば、ルーツ名をもう一つ戸籍上に持てばよい」とのこと。
詳しい事は左の画像の本を読んでいただければ分かるが、鎌田氏は意見のある人はマイブック社に連絡して欲しいとおっしゃっていたので、住所を書いておく。おおいに議論されるべき事だと思う。
〒610-0102京都府城陽市久世芝ケ原131-35
もし姓・呼・名のフルネームが制度化されたら、私は抵抗なく受け入れるだろう。
ただ、役所の戸籍係りはは忙しくなることだろうと思うが。

ページ作成 S53年卒岸政輝 & S45年卒辻岡由起