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金蘭会セミナー


第75回
平成16年2月13日(金)
演題
ゴミと環境の話 −身近な環境から地球環境まで
講師
鈴木嘉一氏(昭和40年卒)
大阪湾広域臨海環境整備センター

身近な環境から地球環境まで、と題したセミナーにはおそらく多くの人が興味を持ったであろうに、いつもの第3金曜日が入試日にあたり金蘭会館が使えないと言う事で第2金曜日になったこと、それと、インフルエンザの流行で、欠席者が多かったので、参加者があまり多くなかったのが残念だ。

図にあるように、環境問題に物理的・心理的な距離がある。
見難いだろうが、家の近くの「悪臭」「騒音」「振動」「水質」そして、「ゴミ」にはみんな敏感に反応するが、地球環境レベルの「大気汚染」や「オゾン層破壊」ということになると目に見えないものだけに真剣に取り組む度合いが少なくなる。
昭和42年には「公害対策基本法」と制定されたものが、平成5年には「環境基本法」となった。
☆環境基本法での環境の定義、とは
○公害:大気汚染、水質汚濁、土壌汚染、騒音、振動、地盤の沈下、悪臭。
一部状況の例
【騒音】道路沿道、新幹線、飛行場
【大気汚染】窒素酸化物、ダイオキシン、DEP(ディーゼル排ガス粒子)、微量有害物質(環境ホルモンとも呼ばれる)
【水質汚濁】河川海域のBOD,COD(生物化学的酸素要求量)、地下水の汚染
○地球環境保全:温暖化、汚損層の破壊、海洋の汚染、野生生物の種の減少その他の地球の全体の環境に影響を及ぼす事態に係る環境の保全。
【酸性雨】ph5.6以下を酸性雨という。大気汚染物質のNO2は硝酸に、SO2は硫酸になってphをさげる。しかし、都会はコンクリートがアルカリ性であるためphは高い。黄砂もアルカリ性らしい。
【オゾン層の破壊】1979年に発見されてから2002年までに南極で2倍に拡大。
【地球温暖化】気象の変化、海面の上昇など予測されているが、いまだに京都議定書にアメリカが同意しないのにはあきれるばかりである。我々のレベルでできることは暖房温度を低めたり、冷房温度を高めたりはすぐできるはずだ。
ところで、ここまで問題点を書いてきても、まだ「ゴミ」のことに触れていないのにお気づきだろうか。
☆廃棄物とは
定義:ごみ、粗大ゴミ、燃え殻、汚泥、糞尿、廃油、廃酸、廃アルカリ、動物の死体その他汚物又は不要物であって、固形状又は液状のものをいう。(放射線物質は除外)
ここで、問題は「不要物」という言葉。A社では不要物でもB社では資源になるかも知れない。ところがその間の運搬などもしそれが「不要物」と判断されるなら、すべてに届けが必要となる。つまり、豊島問題、青森岩手県境不法投棄問題などのような大量不法投棄を防ぐためである。
産業廃棄物の処分場はなんと、あと1年6ケ月分しか余裕がないという!
一方市町の責任である一般廃棄物(家庭のゴミ)こそ、大阪湾広域臨海環境整備センターの役割である訳だが、平成30年ぐらいまでは大丈夫だろう、ということである。その頃には生きていない、と安心してはいけない、子供や孫に苦労をさせないためにも、4Rの努力が必要であろう。
     refuse(ゴミになるものを拒否する。)
     reduse(ゴミを減らす。)
     reuse(再利用)
     recycle(再資源化)これを再利用と勘違いしている人が多い。
フェニックス(不死鳥)と愛称を持つ大阪湾広域臨海環境整備センターが文字通りフェニックスであり続けるためには、一人一人の意識の持ち方が大切である事はいうまでもない。

ページ作成 S53年卒岸政輝 & S45年卒辻岡由起