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金蘭会セミナー


第79回
平成16年6月18日(金)
演題
ガンで死なないために
講師
野田 定氏(昭和24年卒)
大阪ガン予防検診センター 名誉部長

ソフトな中に要所要所、聞く者の心にチクッと訴える巧みな語り口に予定を大幅に超過した1時間半以上の講義時間もあっという間に感じた。
『ガンで死なないために』はどうするか、結論を先に言うと、『早期発見のために年に一回のガン検診を受ける事。』である。
(野田氏曰く「わざと怖がらせるために」)たくさんのガンのスライドを見せてくれた(2枚目の画像)。あえて小さくして載せている。
いくつかのガンについての説明の前にパンフレットに載っていた『ガン予防の14カ条』を書いておく。(スペースの関係で要約)
○総エネルギーの半分は色々な植物性食品で摂る。(1,4,5条)
なお、具沢山の味噌汁が肝臓ガン、子宮ガンなどの防止になるらしい。
○身体を動かし、脂肪の多い動物性食品やアルコールを控え、適正体重を保つ。(2,3,6,7,8条)
○食品は正しく保存して、塩分の摂りすぎに注意し、かびた物、こげた物を摂らず、食品添加物などに注意。(9,10,11,12,13条)
○栄養補助剤は不要。タバコは吸わない。(14条、番外編)
・一般的なガンの特徴
異常な増殖力。転移する。やせてくる。出血しやすい。の4つ。
・ガンをピストルにたとえると
引き金は【発癌物質】【ウイルス】【放射線】:現代人は常に引き金に指をかけられている状態といっても過言ではない。
安全装置は【免疫力】:この免疫力を高めるためのものが前述の14カ条
●肺がん
痰の検査が有効。タバコを今までに400本以上吸ってきた人は肺がんの細胞ができていると思って間違いがないらしい。ここでギョッとした会員が何人いた事だろう!しかし悲観する必要はない。安全装置である免疫力をアップする努力をするといいのだ。よく言われることだが、声を出して笑う事も免疫アップになるというデータがあるので、おおいに愉快に過ごすとよい。ただ、受動喫煙、つまり吸っている人の傍で煙を吸わされる人のほうが4倍の発癌物質をすう事になるらしい。愛しい人の近くでは吸わないことだ。
●胃がん
胃はX線では映らないらしい。バリウムで何もなければ胃の形に白く映るしくみなのだ。胃の痛みや不快感以外に飲み込む時のしみる感じやつかえに注意。ピロリ菌が今では取り除く薬品があることもおっしゃっていた。
●肝がん
食欲がない、身体がだるいと注意。C型肝炎ウイルスに感染していると慢性肝炎になり肝硬変になり、20〜30年の後には肝がんとなる。ただ、肝臓は「生えて」来るので、移植がしやすい臓器ではある。
●乳がん
唯一自分で診断が可能なガン。必ず片方に出来る。したがって乳頭の方向が片方引きつれることで判る。
●大腸がん
便器が真っ赤になるほどの出血はたいていが痔によるもの。便に線状に血液が付着していたら注意。簡単な検査法が今はある。
●子宮ガン
これこそ検診を受ける人が増えてくれば撲滅できるかと思われたガンなのに、最近は検診を受ける人が頭打ちになっていることを残念がっておられた。
子宮ガンはHPV(ヒトパピロマウイルス)で感染するらしいことが分かっている。
なお、閉経後太っている人も要注意である。脂肪細胞がエストロゲンを出すらしい。
 講義の前に、司会役の運営委員長が「今日の講義は『ガンで死なないために』です。ではいったい何で死ぬんでしょうね」とおっしゃった言葉が印象的であった。
実は私もそう思っていたからだ。それほどに多いガン。やはり、検診を受けるしか救いはないのだろうか・・・

ページ作成 S53年卒岸政輝 & S45年卒辻岡由起