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演題
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ウィーンこぼれ話 |
講師 |
久下 真理氏(昭和50年卒) |
ソロ・ピアニスト、オーストリア国家試験合格演奏家、西宮芸術文化協会会員 |
第91回金蘭会セミナーはセミナー史上第2番目の120名という大勢の参加者を得て始まった。 まず久下 真理(くげ まり)氏の美しさに驚き、明朗快活なお声にも感心した。 経歴や主なコンサート活動、「ひびきあい」という後援会について、また久下氏が提唱するPianication(ピアニケーション)のことは以下の久下氏のホームページに詳しく載っているのでそちらをご覧いただくことにする。 http://www.pure.ne.jp/~marikuge/frame-j.html その中で「ピアニケーション」についての説明を簡単にしておく。 久下氏が音楽によって与えられたもの、それを今度は皆様と分かち合いたいという思いから、誰もが気軽に楽しめるサロンコンサートを展開。ピアノを通じてのコミュニケーションの意味を込めてピアニケーションと名付けた。これは登録商標されている。 さて、演題の「ウィーンこぼれ話」 @ウィーンの今 2番目の画像はオーストリアの首都ウィーンにあるシェーンブルン宮殿。18世紀にハプスブルグ家の女帝マリア・テレジアによって建造された。1441室あるうち約40室ぐらいが公開されている。夏が短く(約2週間)冬が長い。したがって年中冬服が要る。紫外線が不足するため洗濯物は煮沸が必要。すすぎの最後が90度〜95度になる洗濯機があるらしい。主婦の一日の最後の家事仕事が布巾の煮沸だという。硬水なので洗剤が日本のそれとは違う。19世紀初めまで水には困っていたらしく、トイレなどもなく夜中に窓から汚物を外へ投げ捨てていたらしい。今はシュネーベルグというところから水を引いていて、水道水は飲めるが、みんなミネラルウォーターを買う。規制で必ず地下室を作らないといけないので、そこが水などの保存場所になっている。久下氏が11年間住んだ家は築400年ぐらい(!)でキッチンやトイレなどは部屋をつぶしてそれ用に改築して水を引いたものであった。 水が引かれてからしばらくは4軒ぐらいで一つの水道、トイレを使っていたらしき名残の蛇口などが外に残っているという。 もう一つ面白いと思ったのが、「一見さんには売らない店」というのがあって、紹介されて行くといいものが手ごろな値段で買えるらしい。観光客には高く売り付ける。まあ、これは買うほうも覚悟の上だろうが。 A水と塩 水の話は@でもしたので省くが、ひとつ、喫茶店で水を頼むとビールと同じ値段を要求される。「しみったれたヤツ」というようなまなざしに耐えさえすれば、「水道水でいい」というと無料で持ってきてくれるらしい。 塩というとオーストリア第二の都市ザルツブルグである。 ザルツは「塩」、ブルグは「山」「お城」「町」という意味である。ハプスブルグ家の財政を支えたのはそのザルツブルグでとれる岩塩であった。ウィーンの最古の教会ルプレヒト教会(3番目の画像)のすぐ近くに「ザルツ・アムト(Salz Amt)」という塩の役所がある。昔はそこが塩を配給制にして一手に仕切っていたらしい。 教会が力を持っていて、今も「教会税」というものをみんな払っている。 4番目の画像は久下氏が持ってきてくれた岩塩である。左はシンプルなもので1ユーロぐらい、右はハーブがミックスされている。2ユーロぐらい。(2005年9月12日で1ユーロは¥135前後のようだ。)味はシンプルなもので塩昆布ぐらいの辛さ、美味しい!思わずご飯がほしくなった。ハーブ入りはコショウが混じっているような香りがした。 Bウィーン食事情 まず、「ウィーンっ子は食べる事が大好きなんです」と久下氏はいう。食べ物を買うと、家に帰るまで待たずに帰る道々食べる。(うんうん、食べたくなる気持ちは分かる。)主婦は夫と息子2人の家族だと一日に丸い大きなケーキを三個焼くという。それが食事である訳は無いんだろうから驚きである。 ・ウィーナーシュニッツェルは日本でも知られている料理。仔牛のカツレツ。パン粉は小さいゴマ粒のような形のものらしい。肉は薄いが、大きいほどいいらしく、お皿からはみ出るぐらいで、端がテーブルにつく! ・ザッハトルテも日本ではおなじみ。平たく言えばチョコレートケーキ。 ウィーンではデザートの事をメールシュパイゼという。 メールは粉、シュパイゼは料理の意味である。 元祖ホテルザッハ(ザッハという人がメッテルニヒのために作った。)と宮廷御用達デーメルとがザッハトルテの登録商標を争ってザッハ戦争といわれた。 久下氏が両者の見分け方を教えてくれた。「これはウィーンっ子も知っている人は少ないんですよ」と。杏(アプリコット)ジャムを挟んでいる位置がホテルザッハは上のチョコレートと下のスポンジの間、デーメルのはスポンジの中間。上に乗っているチョコレートの飾りがホテルザッハは丸、デーメルは正三角形。(5番目の画像。但しネット検索したデーメルのケーキは扇形ではなく丸型であった。もちろん上の飾りは正三角形のチョコレート。色々なバリエーションがあるということだろう。) このザッハトルテは横にたっぷりとした量の無糖生クリームが添えられる。 これは食べた事の無い私の想像であるので違っていたらお許し願いたいのだが、無糖生クリームと共に食べて美味しいということはケーキ自体は少々甘さがきつくてパサツキ気味ということではないだろうか。 以前はデーメルのザッハトルテはコールマルクトの14番(所在地)に来ないと食べられないよ、と言っていたらしいが、今ではなんと高島屋に出店しているらしい。 食事情についてもっと聞きたいと思ったのは食いしんぼの私だけだろうか。時間が来てしまって残念であった。 6番目の画像は世界的に有名なプロメテウス弦楽四重奏団と共演されたときのもの。7番目の画像は来月(10月)22日に中央公会堂で開催される久下氏のピアノコンサートのチラシである。参加希望者は久下氏のサイトで申し込めると思う。 ところで、今回のセミナーの内容が決まった2ヶ月前から、スクール部部長の奥山氏とスクール部、ホームページ部両方に所属している谷村氏のお二人のご苦労が始まった。彼らは久下氏御持参のDVDのピアノの音を最高のコンデションでセミナー参加者に聞いてもらうために試行錯誤の日々をすごした。自宅からスピーカーを持ってきたりして、何とかしてピアノの特に低音も大きい音で聞こえるようにできないか、と。確か理事会に申請して新型のスピーカーを買うところまでこぎつけたはずである。 その苦労を見てきた私はこのお二人にも大いなる拍手を送りたい。 |
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