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演題
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常識はずれの医学 |
講師 |
松田 育三氏(昭和30年卒) |
医療法人 松田メディカル 理事長 医学博士 労働衛生コンサルタント |
食べるものに気を付けておられるなら、お酒などは飲まれますかと訊かれて、「ええ、外で出された時は飲みますよ。そうしないと角が立つでしょう?」 忙しい時は忙しいように、暇なときは暇なように過ごす。とおっしゃる松田氏、この日、三回目の講演だったという。「明日はゆっくりしますよ」 |
生まれたとき、「この子は生きられません」と言われるほど虚弱児であった。 その後肺結核を患い、三回手術を受けた。度重なる入院、手術、投薬を経験し、医学のおかげで自分は生きていられるんだと、思ってきた。 しかし、あるとき、健康とはなんだろう、と考えるようになった。 10年間内科医をして医学博士を取得したが現代医学に疑問を感じ医師としての活動をやめてしまった。 健康であるためには「食事の問題」「運動の問題」「心の問題」があるが、主に心の問題を取り上げる。 人間は感情の動物であり、理性では生きられない。理性は小ざかしく生きるためのシステムで、感情はたくましく生きるためのシステムである。 感情がホルモンバランスを変えるのだ。例としては、 ・恋をした女性は美しくなる。 ・腹がたつと血圧が上がる。 ・ストレスがあるとき、風邪を引きやすい。免疫力が落ちるから。 松田氏は医師としての活動をやめてから講演活動、執筆活動のほか、大学で経済学を教えたり、老人養護施設に係ったりしてきた。 登校拒否の子供の塾に行った時、その子らの母親に集まってもらった事がある。思ったとおり、とても理性的でステキな「おかあさま」ばかりであった。 おそらく木登りなどは危ないからしてはいけない、落ちた食べ物は拾って食べてはいけない、そういう風に子供達をしつけてきた人たちばかりのようであった。そういう育て方をされると子供は人格を否定されたと解釈する。そして自分の存在価値を認められていないと感じる。 そういう子供は、小児期の反抗期もなく、18歳頃の反抗期もなく過ごす。 しかし、心に抱えたマグマは消えるはずもなく行き場を失い、30歳ごろ突然爆発する。 それが親を金属バットで殴り殺したり、刺し殺したりという行動になって現れる。加害者である親が被害者になるならまだましだが、そのマグマが変な出口から出たのが幼児誘拐などである。 最近は成人式というと、暴れる若者がいるが、松田氏に言わせれば、まだそういった若者は大丈夫、ということになる。 「価値観を変えて欲しい」と松田氏はいう。例えば ・「正義はない」:戦争になったらどうだろう、人をたくさん殺した人ほど表彰される。 ・「修行をしてはならない」:修行をするのは自分には欠点があり、それを直そうとすして行うもの。その「自分には欠点がある」とイメージを持つと、人はそのイメージどおりになる。 ・「病気を治してみせる、と思ってはいけない」:そう思うこと自体病気を恐れているという事である。癌の専門医がいう「癌が治る人」というのは「自分が死ぬとは夢にも思っていない人」であるらしい。 物質をどんどん細かくしていくと、素粒子になり、その先は波動のエネルギーになるという。さまざまな波動がシンクロして太くまとまったものが「想念」、東洋医学で言うところに「気」ということになる。仏教で言うところの「色即是空」である。その想念と肉体とが断ち切れること、それが「死」なのだ。瀕死状態から蘇生した人は多いが、ほとんどの人が言う言葉に「おかしい、自分が二人いた」。肉体から離れた想念が「自分は死んだのだと納得するのにかかる時間が四十九日」だという。 松田氏が相談を受けた患者さんたちの例。 ・松田氏のお兄様:やはりお医者様だったそうだが、手術の後退院されたときにおっしゃった言葉が「癌を徹底的に叩いてきたからもう大丈夫だ」と。 残念ながら予定通り亡くなった。松田氏は「癌を殺したかもしれないが、肉体も殺してしまったのだ」という。 ・松田様のお姉さまも癌で入院されていた。抗がん剤を点滴されていたお姉さまを退院させ、「毎日寝る前にその日一日で一番おかしかった事を想い出す様に」と指導したという。時間の関係上聞けなかったが、食べる事、運動の事などもアドバイスされた事だろう。そのお姉さまは現在もお元気らしい。 ・初老の肺がんの患者:相談に来た時は悲壮感漂う顔で、「気が滅入る」とのこと。「なんとかなるさな」と話すうち笑顔で帰るが、また悲壮な顔で来るという状態が2〜3回続いただろうか、パタッと来なくなった。しばらくして、分厚い封筒が届いた。手紙には「仲の悪かった家族が自分が肺がんになったことで結束した。私は今一番幸せです。すべて肺がんのかげです。肺がんが治ろうが治るまいがどちらでもいいんです」と書いてあった。 ・三ヶ月の命といわれた華道茶道の先生:電話のみでの相談。かなり狼狽したその人に松田氏が言った言葉は「人間死ぬのは当たり前。死亡率100%なのだから。でも、今あなたは生きているでしょう?教室を開きなさいよ。」それを聞いて否定的な言葉を言う相手に、「あなたは花を見てどう思いますか?」と訊く松田氏。「生きとし生けるものはみな愛しい」と答える患者。「その、想いで生けた花をあなたの生徒さんに見せてあげなさいよ」と松田氏は言った。その後華道の先生を知る人から、教室を開かれて、二年半生きて、亡くなったと聞いた。最期まで感謝の気持ちで生きておられたと。 松田氏がインタビュー記事で『ガンに侵された人が病気をあるがままに受け入れ、残りの時間を感謝して生きようと意識を変えたとき、ガンがスーッと消えたという事をいくつも体験しました』とおっしゃっているように、『感謝の念』というものが一番免疫力を上げることが出来る。 松田氏自身「虚弱児で生まれてきたからこそ本当の健康とは何かを考えることが出来るようになったことを感謝している」とおっしゃっている。 時間がないので充分説明できないが、とほんの少し話された食事のこと。 「栄養バランスなんて考える必要はありません。ライオンや牛のことを考えても解るでしょう。栄養バランスを考えて餌を食べる動物はいない」 「塩分は控える必要はありません。人間は海から生まれたんです」 「牛乳は飲まないほうがいい」 などなど、聴衆のどよめきが大きくなり、またいつの日かその方面の話をゆっくりと松田氏にしてもらうようにお願いして、終わった。 今回参加できなかった方も、次回はぜひ参加されてはいかがだろう。 |
血糖値、血圧値などすべて基準値があって、それから外れると病気だ、即治療というようになる。 でも考えてみてください。人にはそれぞれの個性があって、すべて基準で測りきれるものではない。 |
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「年を取ると10人に一人ぐらいはボケます。ボケると理性面から壊れて行き感情面だけがのこる。理性面は演技が出来ますが、感情面だけが残ると、どういう生き方をしてきたのかということがはっきりと判るのです。いいものを見ると「それは私の。返して。」というお年よりは、「人のものは自分のもの、自分のものは自分のもの」という生き方をしてきた人なんですね。」 どよどよとざわめく聴衆。 「いまさら何をしても遅いですか?」という質問に、「今日一日ステキに行きなさい。明日になれば明日一日ステキに生きればいいんです」と、安心させて下さいました。 |