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演題
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常識はずれの医学 パートU |
講師 |
松田 育三氏(昭和30年卒) |
医療法人 松田メディカル 理事長 医学博士 労働衛生コンサルタント |
お座りになって(時間まで)お待ちくださいというと「立っているのがすきなんです」 |
この日の講義が始まる前、IT委員会のスクール部部長で急逝された奥山峰生氏の冥福を祈って黙祷が運営委員長のもと行なわれた。ちょうどこの日がお通夜であった。奥山氏はこの金蘭会セミナーでも第78回に「インターネットで音楽を楽しもう」という演題で講師を務めてくれた。またパワーポイントやスライドなどを使われるセミナー講師のためにプロジェクターの準備、後始末やこまめな調整をしてくれていた人である。金蘭会にとってもIT委員会にとっても、そして何よりスクール部にとって非常に大切な人を失ったという思いでいっぱいである。心からの御冥福をお祈りしたい。 第94回のリポートも参考にしていただきたい。 さてその94回の時に参加者に衝撃を与えた「牛乳は飲む必要がない」という話題から。 牛乳のカルシウムは赤ん坊ならどんどん吸収することが出来るかもしれないが、大人の場合は過剰という反応になる。そもそも牛のカルシウムを摂ってそれが人間のカルシウムになるのか、というとはっきりとしたメカニズムがわかっていないのが実情。Caは原子番号が20、原子量は40、一方Mgは12の24、Oが8の16。だから体内ではMgとOでCaが作られているのかもしれない。最近ではCaだけとっても意味がない、Mgと一緒にとらなければ、と言われている。(ネットで調べると、代謝の具合でMgがCaに取って代わる事もある、とあった。) さらには栄養バランスを考える必要もない、と松田氏は言う。 もっというなら人間は草食動物でいい!という。 理由は必要な元素はN(窒素)、H(水素)、C(炭素)、O(酸素)なのだから、野菜でH、C、Oが補給でき、たんぱく質にしか含まれていないと思えるNは地球には無限にある。肺からNは吸収されるのだ。動物実験でも、食べたNの量より、出て行くNの量の方が多いという。明らかに空気中から摂り入れられているとしか思えない。 そう考えると、草しか食べない草食動物の牛がなぜあのように立派な肉を作ることが出来るのか理解できるのではないだろうか。 食べたものを完璧に分解してアミノ酸にして、再合成するのだから。 前述のようにアミノ酸はNとHとCとOがあれば出来る。 もう一つBSE(牛海綿状脳症)についての、松田氏の意見。 これはガタがきた蛋白ができてしまう病気であるが、牛に牛もしくは羊などの他の哺乳動物の肉を食べさせた事によって起こってきた。本来草を完璧に消化してアミノ酸にして蛋白を再合成してきたものが、自分と同じような哺乳動物の肉を食べると、完璧に分解する事を怠けだす。もしくは草食動物には哺乳動物の蛋白を分解する能力がないとも言える。そのように不完全な既製品(分解せずそのまま)を使うことによってたんぱく質にガタが来たのではないか。 人間も例外ではなく、人間の肉と似ている牛の肉を食べだして、いま起こっている異常としてはパーキンソン病が考えられる(潜伏期25〜35年)。人肉を食べる習慣のあった部族ではクール病が起こってきたらしい(潜伏期は15年)。 肉を食べると成長が早い=身体に良い。という錯覚でどんどん肉を食べたために、異常を排除しようとする免疫機構がへとへとになり、(つまり敵味方の区別が付かなくなり)起こってきているのが、膠原病、アレルギー、ガンである。 その証拠にがん患者は肉好きが多いらしい。完璧に草食動物にもどす事によって、治療効果が上がっているらしい。 魚や大豆蛋白は人間の蛋白とは随分違い、分解しやすいらしい。 蛋白質を摂るならそれらにすると安心ということだろう。 さらに「塩分控えめはとんでもない」という意見。 祖先は海の中から発生した。したがって血液は海の水の成分と同じ。 ところが問題は日本政府がNaCl(塩化ナトリウム)に精製したもの以外を「不純物いっぱいの悪いものだ」と禁じたことに問題がある。 大切なFe、Se、Zn、Mo、K、Mg、Caなどを摂る事が出来なかった。 ところが最近外国からの岩塩の輸入を禁じることが出来ず、不純物が入っていてもいい、ということになった。 ただ、気を付けないといけないのは最近の「天然塩」と銘打って売られているものには塩化ナトリウムにホンの少しマグネシウムを混ぜただけのような物もあり、「まったくのニセモノです」ということだ。 水は還元電位の高い水が良いという。これはアルカリイオンの事ではない。 クラスター(集団になったもの)の大きい水はダメ。外を回っている電子がほかに取られるといくつかまとめてその周りを回ろうとする(=クラスターが大きくなる)。都会の水はダメらしい。(うーむ・・森林で水を汲めばいいのだろうか・・) 「食事の話はこれぐらいでいいですか?」ということで、後半は霊魂のはなし。 ほとんどが前回94回の時の話と同じであったが、今回はじめて聞いた話。 肉体から離れた霊魂はどこへ行くのか。ユングという精神科医は宇宙意識と呼んだが松田氏は「意識がないのだから『宇宙無意識』です」という。我々の住んでいる世界が3次元、時間の概念が4次元とするなら、5次元の世界が想念、霊魂の世界だという。『宇宙無意識』は霊魂のプールのようなものだろうか・・松田氏もはっきり判らないという、だから「死ぬのが楽しみなんですよ」と。 もう一つ面白いなと思ったのが、不老の方法。「夢中で生きる事なんですよ。そうすれば一年なんてあっという間です。つまり、時間もあっという間しか経っていないのです。逆に例えば一晩悩んで寝られないとか言う事があると、一晩で白髪になっていたりするでしょう。それはすごく長い時間を過ごしたということなんです」 死ぬのを楽しみにして夢中で生きる、一度は死なねばならない生きとし生けるものとしてはその考え方、いいかもしれない。 この日金蘭会会館に奥山氏の霊魂がセミナーを聞きに来ていたような気がしたのは私だけだろうか。 |
真剣に聴く参加者。 |
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