WEB金蘭会

    安田  順惠氏






 
安田 暎胤氏
 
安田暎胤様とのこと


すてきなご主人ですが馴れ初めを聞かせていただけますか?

 女子大を2回目受けるときに、東京の日本女子大も受けたいなあと思って受けに行って旅館で遊んで遊んで…。 合格しましたけど四年間の学費を考えて国立の奈良女子大へ進学しました。 二期校の大阪外大のインド語科は出願しただけで受けずに上六でピーターパンの映画観て帰りました。 児玉良子さん(現在奈良県五条市大塔町の中田)とかと一緒によく薬師寺などをウロウロしていたわけですよ。 お寺好きなグループで。学生で今で言う文化講座みたいな「青丹会」という講師を呼んできてお話を聴く会があり、 薬師寺で開いてました。そこにうちの主人も居たわけです。あの人はその頃はまじめなお坊さんですから。 龍谷大学に通う時もずっと僧衣をきていました。主人はあんな感じですから会うても物言わないでしょ。 高田好胤管長さんと親しかったのでね。高田管長さんの家へはよく泊めていただきました。

高田管長さんのお眼鏡に適って薦められたということですか?

 さあ、どうでしょうか。高田好胤管長さんには可愛がっていただきましたね。 一まわり上の子歳で気が合うんですね。結婚してからは口喧嘩の相手としてよかったわけですね。 私ら夫婦が若いお坊さんの仲人をすると、その披露宴で「暎胤の家内は意地悪いからいじめられたらわしが守ってあげるからな」 なんて事を言われるので、はじめての人はびっくりされますが、そんな冗談を管長さんが言うような仲でした(笑) 。

薬師寺管長夫人としてのお仕事も大変だったと思いますがそのあたりのお話もお願いします。

 普通のお寺でしたら大黒さんとして檀家さんとのお付き合いやいろいろ表に立つことも多いでしょうが、 薬師寺では奥さんが寺務所に出向いてはいきません。陰で努力するだけです。

ご主人は八幡院(塔頭)から出勤されるわけですか?その夫人としてはどんなことをされるのですか?

 行事のときに縁の下の力持ちをするだけです。主人は若い時から、 5時から金堂でお勤めをします。私も出かけていました。ですから起きるのは4時ですね。 豆腐屋とボンさんは朝早う起きて当然!(笑) 。

旦那様がそんなに早く起きられるのなら奥様も早くに起きられるのですか?

 最初はね、高田好胤さんの先代の橋本凝胤というえらいお坊さんは主人のお師匠さんで 本坊で小僧さんたちと一緒に寝食をともにしておられたわけですね。 それから高田管長さんや、主人の兄弟子が結婚して、塔頭へ住む。 そういう風にしていわば結婚したら社宅へ行ってしまったわけですね。 だから管長のときは若い小僧さんと一緒に朝ごはんをいただいています。

ということは、ご主人の朝ごはんは作らなくていいんですか?

 一昨年夏から主人は長老となりましたので朝の堂参が終われば塔頭に帰り朝食をいただいています。 したがって私は朝ごはんをしっかり作ってますよ。

失礼ですがどのようなものをお召し上がりになられるのですか、いわゆる和食ですか?

 岐阜県出身ですので八丁味噌のお汁など。茶粥などでもいいんですよ。

パンでもいいんですか?

 もちろん。「お仏飯」(オブッパン)ていいますでしょう(笑) 。

どのような旦那様ですか?おやさしいそうですよね。

 見てのとおり。面白いと皆さんおっしゃります・・・。慣れるまでは上手は言いませんがね。

いつも静かでいらっしゃいますね。

 うちでもそうですね。主人がもの静かですので私がおしゃべりになりますネン。 もともとそうだと言われますけど(笑)。 お茶持って行っても無駄話しないでブスッとしていたらその場の雰囲気をやわらげようとこちらからなにか話しかけますでしょう。 だから私がおしゃべりになりますわね。 高田管長さんや現山田管長さんはご自身がよくお話になるから奥さんは黙っていたらいいから楽ですわネ(笑)


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