WEB金蘭会

    大坪 清氏






 
座右の銘
 
インタービュアー
 
後輩へのメッセージ


最後に後輩へのメッセージをお願いしたいと思います。20代、30代、40代の社会人の人と大手前の生徒と分けて御話し願えますか。
まずは社会人に。

私は社内でも言っているのですが、レンゴーには創業者の井上貞治郎さんがつくった 「きんとま」という言葉があります。「きん」は金鉄の金、すなわちゴールドでありアイアンを表し、 「と」はアンド、そして「ま」は間(あいだ)を表します。井上貞治郎さんが言っているのは、 お金を大切にし、人との付き合いの間を大切にしなければならない、ということなのですが、 私はその「ま=間」が非常に重要だと思います。 「間」と言うのは上に時を付ければ時間。いろんな人生を歩んでいく時に、 まずは時間を大切にしなければならない。もうひとつは、空という字を付けると空間です。 空間を大切にするということは、モノを大切にしなさいということです。 そして最後に、一番重要なのは、上に人をつけて人間です。だから間を大切にするというのは、 時を大切にし、モノを大切にし、人間を大切にする。これが一番重要ですと言っています。
若い人には、それを大切にしながら、絶えず言っているのは、私はサミエル・ウルマンの Youth、 青春という詩が好きなのですが、その書き出しが、 "Youth is not a time of life, it is a state of mind." 青春とは時間の経過を言うのではない、 心の持ちようですということです。この心の持ちようを大切にしなさいと言っています。 さらに、"Peoples grow old only by deserting their ideals. "と出てきます。 自分の理想を捨てた時に本当に老いてしまいますよということです。 理想と言うのは持ち続けないといけない。 しかし、理想を追い続けるのは重要なのだけれど、 空想に近い理想を追い続けることは良くありません。現実を全く分かっていない。 やはり理想を持ち続けながら、現実にいかに対処するかと言うことが重要です。 理想を捨ててはいけませんよ、しかし、一方で現実を大切にしなさいよということです。 そして、その原点は「間」だということです。

本当にいいお言葉ですね。

もうひとつ、「間」のほかに「和」と言うことも大切です。経済活動とは、 財貨とサービスを作り出すことが大前提ですが、その財を作り出すにはどうすればいいのか。 私の部屋に掛けてある言葉があるのですが、財を得るに道あり、これは「有道得財」と書きます。 そして、その次に出てくる言葉が、気を和して財を生め、「和気生財」とある。 「有道得財 和気生財」。これを私は座右の銘にしています。

次は大手前の生徒にむけてお願いします。 僕はよく勉強したから君たちも・・・とか。

活力ある高校時代を過ごしてほしいですね。多少は暴れてもいいじゃないか。 今はおとなしい人が多いから、ちょっと我われの頃の様に、 もう一度先生から怒られるぐらいの活力ある動きをしてほしいね。もちろん罪を犯してはいけないが、 ややゴンタぐらいの活躍をしてほしいと思います。特に男子生徒には。 女性には華美にならない程度に、 男性の動きについていける女性になってほしいですね。


本日はお忙しい中、有難うございました。


中之島のまだ新しい高層ビルにある本社にお邪魔し、大阪市内を一望できる社長応接室にて、 お話を伺うことが出来ました。社長業だけでなく、関西経済界の重責を担っておられ、 ご多忙なところ、お時間を割いていただきました。
大坪社長の益々のご活躍をお祈りします。


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