WEB金蘭会

金蘭会ここに人あり



インタビュー風景


















 
若い世代へのメッセージ




若い後輩へのメッセージを学生と社会人に対してお願いします。

学生時代は自分の好きなことを一生懸命勉強してください。
社会人は、会社のためにとか、自分の属している組織のためにという殻を飛び越えて、これは会社のためにいいが本当に世の中のためにいいのかな、ということを少し考えたらいいと思います。自分のためにということが、世の中のために少しでも役に立つと自分の気持ちが満足する。会社のためオンリーだと自分を見失い、会社の中に自分が埋没してしまいます。会社の枠を超えて自分も満足すると職場の仕事と自己実現を両立できます。
学生までさかのぼると、いい会社に入るためというだけの考えで勉強しない、ということです。学生時代は自由であるべきで、楽しいことを経験し、好きなことをうんと勉強してもらいたいです。これは今の受験戦争の考え方と違うかもしれませんがね。
高度成長時代は皆で群れをなして動いていたから、少しぐらい疲れた人がいても皆で引張っていけました。それはそれでよかったが、今の時代は一人ひとりが責任を持って頑張らないといけません。
また、これからは人の欲しがる新しいものを開発しなくてはならないのです。みんなが一寸でも新しいことを考え、仕事が自分の喜びと一体になって欲しいのです。ノルマに縛られていては新しいことは生み出せません。
それと、日本には難しい問題があります。それは外国人に対する人見知りです。横メシ(外国人と食事をすること)ということに抵抗があります。これからは、たとえ英語が下手でも努力して自分で話し、気持ちを通じさせ、外国人と話すことに違和感や抵抗がない、ということが大切です。私なんか、一日の半分以上が外国人相手の毎日です。この国の閉鎖性を打破しないといけません。
日本は三つの点で後進国だと思います。一つは日本ほど外国の人材を受け入れていない国はない、ということ。二つは日本ほど外国の資本を受け入れていない国はない、ということ。資本というのはお金だけではありません。資本にはカルチャーや経営のノウハウもついてきます。日産はカルロス・ゴーンが一人でやってきて、あそこまで変わった。どうしてなのか私にも理解できないものがありましたが、変わったことは事実です。三つは自由貿易協定(F.T.A.)の数がこんなに少ない国はない、ということです。 
国の閉鎖性が 高度成長の利害に縛り付けられています。国際的に日本と仲良しの輪が広がりにくい。日本は国際的に尊敬されていないと思います。外国から人もお金も受け入れ、また出て行くことにオープンになり、国際的に尊敬される国にならないといけません。



PROFILE 大手前時代
について
日本銀行
総裁として
若い世代への
メッセージ
家族のこと
趣味のこと


ページ作成 S53年卒 岸 政輝