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まず、大手前時代の先生の思い出をお聞かせ下さい。 入るときから言いましょうか。私らの入る時の入学試験言うのはね、今とぜんぜん違います。口問筆答で、先生が壇上に立って、一人の先生が口で尋ねられるんです。そうすると私たちは、答えを書くわけですね。忘れもしませんが、第1問はね、「君が代を平かなで書きなさい。」というのですよ。「きみがよは、ちよにやちよに、さざれいしのいはほとなりてこけのむすまで」と書いたらいいんですけどね、巌(いわお)という字は、今のかな使いと違っいますからね。巌は「い、は、ほ」と書かないけないんですよね。ちょっと迷ったのは、その頃、私らはねぇ、小学校でもね、「歌は、濁点打たない。」ということを聞いてたんですよ、だから、「きみかよは」と書かないかんのか、普通に、「きみがよは」と、書いても良いのかね、それがちょっと解らなかった、ちょっと、迷たんですね。ところが、先生が、「君が代を平かなで書きなさい。」と言わはったから、やっぱり、「きみがよ」でいいんだなぁと思て。あとはもう、すうっとね、たやすいことでね。それでもね、後で聞いたら、間違ごうた人がたんとあったいうてね。「きみがぁ」と書いた人が あったそうですよ。今もしそんな問題が出たら、たぶん、半分くらいしか、できない人があるでしょうね。 それで、その次がねぇ、理科の問題でね。「モンシロチョウが菜の花から菜の花へ飛んでいきました。」って、読まれて、「次の図面を書きなさい。菜の花、モンシロチョウ、その2つです。」 よく覚えてらっしゃいますね。何年前になります? 12、3のときでしたよね。あの時数え年やったからね、77年ほど前ですね。でも、その時のね、印象はちょっと忘れがたいですね。それは1年でもう、やめになったんですよ。やっぱり、なんかそれは悪いとか何かがあったんでしょう。それはわたしとこの学年で終わりで、それから、やっぱり筆問筆答になったと思います。 |