|
|
資格試験を受けられたんですね。
司法試験を受けるには、専門学校卒か新制大学なら2年の教養課程を、修了して
なければならなかったのです。でもそんなこと家で言ってみても、大学へ行くなど反対されるに決まっている。
誰にも言わないで、子供をおんぶして大学に行った。
入学試験だからきっと親がついて来てて、「赤ちゃんかわいいね」って言ってくれるかもしれない。
そしたらその人に「ちょっと見といて下さいと」言って試験受けに行くつもりで行ったのにね、
試験場にはそんな人一人もいない。そのまま子供連れて試験場に入ったら怒られるし
おっぱいを飲ましたのでうまいこと寝てくれたんです。だからベンチに寝かして、
本当に後ろ髪ひかれる思いで試験場に入ったんです。英語だったです。
1時間の問題を10分か、15分程でチャッチャっと書いて、子供の事が心配で教室を出ようとしました。
そしたら監督の先生がね、わからんからあきらめて出ると思ったんでしょう。「そんなに急がんでよろしいよ、
まだ時間があるからよう考えたらどうですか」と言って、ぱっと答案見たら殆ど全部書いてあたったから
「えっ」というような感じでした。飛んで子供のとこにいったら子供はまだ寝ていました。
次は数学と国語。その間に大学の女の年いった事務員さんに会って、その人に「子供がいて困ってるんです」って言ったら
「見ていてあげましょ」って言ってくれたから、あとの数学と国語は安心して受けることができました。
このお話はラジオでもお聞きしまして感激しました。でも三千子さんも偉いですね。泣かずにお利口で親孝行ですよ
司法試験の第二試験 法律は私かなり自信ありましたね、
父が弁護士で本読むのが好きだったので、女学校のころから大日本帝国憲法やら美濃部さんの天皇機関説やら、
牧野英一さんの刑法総論というごっつい本 わかってもわからんでも読んでたんです。
あのころテレビもないし娯楽もないからね、本も日本の文学全集、世界の文学全集読んでしまったらほかに読むものないからね、そんなのも読んでたから、
だから幸いなことに一回で通ったんです。
<次ページへ>
|