後継ぎは、健太郎さんですか。
正子氏)はい、6代目・伊助を。
妹、高子さん、この間はご愁傷さまでございました。高子さんの息子さん五師健太郎さんですが、そのお名前で継がれるんですか。徳光さんじゃなくて。
正子氏)父も母も私も五師健太郎で良いと思ってたんです。できれば結婚して孫の時にでも誰かが徳光を継いでくれたらと思ってたんです。ところが妹の四十九日をした時に、五師の父親のほうから徳光にしたらと言ってくれたんです。
高子さんのご主人ですね。
正子氏)本人にも継いで欲しいと頼んだ訳ではないのです。自分からやるっていってくれて。だからよけいに嬉しいのですが。私たち自身は苗字には本当にこだわってなかったんですけど。無理強いするつもりは全然無くて、いい時期があればその時にと思っています。
今は、なかなか自分の子供さんでも、あとを継いでくださることの少ない時代にね、こんな苦労をしてくれるって、ありがたいことでね。6代目はまだ修業の身ですが、今のとこはとても素直なのと、一所懸命にしようと励んでくれています。
良かったじゃないですか。
正子氏)はい、感謝しています。こういう仕事だから、従業員の人達や周りの方々も後継ぎは、どうかなって、口に出さなくても心配していたと思うんです。
教えていかれるのは
ある意味大変ですね。
清子氏)今、お茶の稽古に行ってますわ。なかなか しんどいって言うてます。朝、買出しに行くのにトラックに乗って行かなあかんし、うちもここだけでは無いし出張もあるでしょ。これだけしてたらいいという仕事やないしね。
大きな暖簾を続けて行かれるのは喜びもあるし、大変なこともあると思いますけど。
正子氏)私はここで生まれて育ってるでしょう。父方の祖父は警察官だったらしくて、ぜんぜん違う所から来てるでしょ。祖父も東京から大阪に来てるんですよ。次の健太郎も名古屋で生まれ育ちました。
まったく違う土地、違う世界から 、違う風が入る、ある意味で良いことかなと。
私たちは渦中の中で見えないこともある。それがゆえに色々な事を背中を見ながら教わったという部分もあるけれども、歴史の長い店だけにそれだけしがらみもあるし、弊習もあるかも知れない。
健太郎はそういうのに囚われずに新しい時代を、彼の感性で生きていくと思います。大変だろうけど頑張ってほしい。やりがいもあるしね。期待しています。
又、お披露目の時はご案内くださいませね。
清子氏)まず、お嫁さん探さな。(笑い)<次ページへ> |